特集 進展経路からアプローチする頭頸部癌の画像診断
5. 喉頭癌に関連する進展経路 5.2 喉頭蓋前間隙進展,舌根進展
冨田 隼人
1
,
久野 博文
2
1聖マリアンナ医科大学放射線医学講座
2国立がん研究センター東病院放射線診断科
キーワード:
喉頭蓋前間隙進展
,
舌根進展
Keyword:
喉頭蓋前間隙進展
,
舌根進展
pp.862-863
発行日 2019年6月25日
Published Date 2019/6/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000001212
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●喉頭蓋前間隙進展はT3に分類される.●喉頭蓋前間隙進展の場合,放射線治療への反応が不良とされる.●喉頭蓋前間隙内を占拠する高容積病変は,喉頭全摘出術を含む広範な切除が必要となる.●頸部リンパ節転移の頻度が高い.声門上癌もしくは声門癌が喉頭蓋前間隙に進展すると,靱帯や骨・軟骨に囲まれた血管床が乏しい解剖学的理由から,放射線治療への反応が不良とされる.また,喉頭機能温存術を行う場合でも,喉頭蓋前間隙と喉頭蓋を含めた声門上水平切除術が必要となり,術後の嚥下機能の低下が問題となる.喉頭蓋前間隙内を占拠する高容積病変は,甲状軟骨浸潤や甲状舌骨膜を介した喉頭外頸部軟部組織への進展,舌骨を越えた舌根部への進展を来しやすく,喉頭全摘出術を含む広範な切除が必要である.
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