特集 進展経路からアプローチする頭頸部癌の画像診断
5. 喉頭癌に関連する進展経路 5.6 喉頭癌に関連する喉頭軟骨浸潤
冨田 隼人
1
,
久野 博文
2
1聖マリアンナ医科大学放射線医学講座
2国立がん研究センター東病院放射線診断科
キーワード:
喉頭癌
,
喉頭軟骨浸潤
Keyword:
喉頭癌
,
喉頭軟骨浸潤
pp.870-871
発行日 2019年6月25日
Published Date 2019/6/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000001216
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●甲状軟骨内側骨皮質への浸潤はT3に分類される.●甲状軟骨外側骨皮質・輪状軟骨浸潤はT4a.●広範な喉頭軟骨浸潤は喉頭全摘出術を施行.甲状軟骨と輪状軟骨が喉頭癌のT因子に寄与する.甲状軟骨内側骨皮質への浸潤はT3に相当し,甲状軟骨外側骨皮質および輪状軟骨への浸潤はT4aに分類される.喉頭癌の限局的な喉頭軟骨浸潤を認めた場合,喉頭機能温存術や(化学)放射線療法が適応となることもあるが,広範な喉頭軟骨浸潤は原則として喉頭全摘出術が第一選択となる.軟骨浸潤を伴う場合,前頸部軟部組織への進展範囲に応じて喉頭全摘出術の切除範囲が異なるため,層を意識した術前画像診断が必要となる.甲状軟骨外側面から舌骨下筋への限局性浸潤は,舌骨下筋を含んだ喉頭全摘出術が選択されるが,舌骨下筋より表層の広頸筋近傍への進展の際は切除範囲に皮下が含まれ,広頸筋を越え皮膚所見を認める場合は,皮膚の合併切除を伴う拡大切除が必要となる.
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