特集 生命システムのロバストネスとは何か?
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守屋 央朗
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1岡山大学異分野融合先端研究コア 准教授
pp.10-12
発行日 2013年12月22日
Published Date 2013/12/22
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「ロバストネス」という言葉は,細胞工学2011年5月号のコラムで近藤 滋 博士にかつてこう評された.『これも,最近,読んだり聞いたりすることが急激に増えた言葉ではあるが,恒常性,あるいは安定性じゃいかんのか?といつも思う.でも,たまに自分でも使っちゃったりしている.“恒常性”という生物学的な香りのする言葉よりも,工学的な香りがするので,新奇性を印象づけられる.だが,意味はやはり漠然としている.昨今勢力を伸ばしているのは,やはりジンクピリチオン効果によるところが大きいと思われる.』2006年ごろから研究テーマのタイトルに使っていた私は,このコラムを読んでびっくりした.しかし,私は「これはいい機会だ.きっとこのコラムがきっかけでロバストネスの認知度があがる」とすぐに思い直した.その甲斐あってか(?),ロバストネスは生物学のいろいろな側面でよく見かけるようになった.様々なロバストネス研究が花開き始めている現在,国内科学誌としては初(私が知るかぎり国際的にも初めて)の「ロバストネス」特集を組むことになった.
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