連載 五臓の働きを知り 補う治療で元気にする!Dr.Shinのよくわかる即戦力漢方 第12回
パニック障害を漢方で支える
橋本 進一
1
1医療法人若樹会 橋本医院
pp.804-811
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2025060023
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パニック障害のポイント
▶ パニック障害の治療では,①パニック発作予防,②予期不安の軽減,③発作時の対応という3つの視点が必要である.
▶ パニック障害の初期発症時には,生活のなかで精神的ストレスが蓄積し,すでにパニック発作が生じる準備状態にあると筆者は考えている.
▶ パニック発作は動悸,呼吸困難感,胸痛,吐き気などの身体症状がある.動悸発作が最も頻度が高く,発作予防薬としては
▶ 予期不安軽減には
▶ パニック障害を発症する人は,鉄・タンパク質不足で血虚の人が多く,補血を要するケースが多い.上記の4方剤に
▶ 発作時には
▶ 漢方治療だけで十分な場合もあるが,パニック障害の経過のどの時期であるかを念頭に,SSRIや抗不安薬使用も考慮したうえで,処方を決定するとよい.筆者は漢方治療で十分な効果を得られない場合,SSRIを併用し治療している.減薬する場合はSSRIから中止している.

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