特集 発達障害×慢性疾患
コラム
発達症当事者が生活で困難を抱え得ることの一例
山田 隆一
1
1自閉スペクトラム症・発達性協調運動症 当事者
pp.1007-1008
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2023080020
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一口に発達症といってもその特性は人それぞれ異なり,千差万別である.本稿では,発 達症のなかでも自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder:ASD)や発達性協調運 動症(developmental coordination disorder:DCD)の当事者である筆者が,その特性に より生活するうえで抱え得る困難を,当事者の一例として述べる.本稿の内容は筆者の例 であり,すべての当事者が同じ困難を抱え得るわけではないことにご留意いただきたい. 筆者が抱える困難で最も深刻なものは,他人に合わせることである.筆者は,単独行動 であればそれほど困難はないが,チームなど集団での行動では大きな困難を抱え得る.他 人の行動にうまく合わせることができないのである.たとえば,筆者は学校に馴染めな かった.そのことを心配した当時の担任の先生の働きかけもあり,小学5年生の頃にASD と診断を受けた.その後も学校に馴染めず,不登校や保健室登校などを経験した.
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