特集 発達障害×慢性疾患
コラム
医療者が発達症のとき─ 周囲の理解とかかわり方─
森屋 淳子
1
1東急病院 心療内科
pp.1000-1001
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2023080019
- 有料閲覧
- 文献概要
筆者は自称,注意欠如・多動(attention deficit hyperactivity:ADH)である.正式に 診断を受けたことはないが,大学入試に遅刻したり(浪人した),朝起きたら試験の時間が 終わっていたり(追試のため海外短期留学をキャンセルした),両家顔合わせの食事会で リーガロイヤルに行くべきところをリッツカールトンに行って慌てたり(無事に結婚でき たが),と武勇伝(?)をあげだしたらキリがない. それでも,いまの仕事を続けられているのは,周囲の人たちの理解と温かいサポートの おかげ,としかいいようがない.筆者が医師になった当時は,発達症という概念はいまほ ど知られていなかったため,ミスをするたびに落ち込み,努力と愛嬌でカバーしようと必 死にがんばっていたように思う.しかし,発達症という概念を知り,自分にはADHの特性 があるんだと認識してからは,いちいち落ち込むことが減った.また,「完璧であること」 を求められない診療科を選んだ.「自己受容」と「適材適所」である.
Copyright© 2023 NANZANDO Co.,Ltd. All Rights Reserved.