薬語図鑑-基礎薬学用語を現場で使える知識に訳してみました 第2部 臨床現場で見聞きする用語編
免疫
25 液性免疫
-抗体はどのようなしくみで病原体から体を守っているのか?
島﨑 学
1
1帝京平成大学薬学部薬学科 准教授
pp.660-661
発行日 2023年3月31日
Published Date 2023/3/31
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2023040083
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液性免疫
細胞性免疫と同じように樹状細胞は貪食した病原体の情報を細胞表面に提示します(抗原提示).リンパ節では,抗原を提示している樹状細胞に多くのT 細胞が接触し,その中で,提示された抗原を認識できるT 細胞がヘルパーT 細胞に分化・増殖します.B細胞は自身が認識できる異物に接触すると,その異物の断片を細胞表面に提示します.ヘルパーT 細胞は,同じ抗原を提示しているB 細胞を活性化し,抗体を産生することができる形質細胞に変化し,抗体が作られます.抗体は体液に溶けた状態ではたらくので,これを液性免疫といいます.抗体は体液中に放出され,感染部位の病原体のもつ抗原と抗原抗体反応により,病原体の増殖や細胞への感染を防ぎます(図1).
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