特集 易感染患者のマネジメント―“免疫不全” で思考停止にならない
Overview:代表的な免疫不全と感染症
液性免疫不全
細川 貴弘
1
,
鈴木 純
1
1岐阜県総合医療センター感染症内科
キーワード:
脾臓
,
莢膜を有する微生物(encapsulated pathogen)
,
脾臓摘出後重症感染症(OPSI)
,
ワクチン接種
Keyword:
脾臓
,
莢膜を有する微生物(encapsulated pathogen)
,
脾臓摘出後重症感染症(OPSI)
,
ワクチン接種
pp.175-179
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_175
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Summary
▪液性免疫は獲得免疫の一つであり,B細胞や形質細胞によって産生される抗体を中心とした免疫系のことを指す.
▪脾臓摘出後,造血幹細胞移植や多発性骨髄腫などで抗体の機能,産生が低下して液性免疫不全が起きる.
▪液性免疫不全では肺炎球菌,Haemophilus influenzae type b,髄膜炎菌などの莢膜を有する細菌が問題となり,これらを予防するためのワクチン接種が必要である.
▪脾臓摘出後患者の敗血症性ショックのような病態のことをOPSIという.OPSIは数時間の経過で病状が悪化するため,早期診断,早期治療が重要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2019