Japanese
English
TOPICS 免疫学
新型コロナウイルス感染症における液性免疫の異常
-――胚中心およびBcl6陽性濾胞性ヘルパーT細胞の減少
Loss of Bcl-6-expressing T follicular helper cells and germinal centers in COVID-19
金子 直樹
1
Naoki KANEKO
1
1Ragon Institute of MGH, MIT and Harvard
1Ragon Institute of MGH, MIT and Harvard
pp.233-234
発行日 2021年7月17日
Published Date 2021/7/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27803233
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
新型コロナウイルス感染症における抗体の持続性
麻疹,風疹ウイルスやムンプスウイルスなどの自然感染によって生じる免疫は,終生免疫に代表されるように長期にわたって維持されることが知られている1).一方,重症急性呼吸器症候群(severe acute respiratory syndrome:SARS)における研究では,感染の後ウイルス特異的なIgG抗体が徐々に減少し6年後には23人中21人で完全に消失したことが報告されている2).SARSと同じくコロナウイルスによる感染症で,現在世界中にてパンデミックとなっている新型コロナウイルス感染症(corona virus disease 2019:COVID-19)の自然感染においても,同様に抗体の持続性に劣る可能性が指摘されている3,4).このことは自然感染による集団免疫の成立を妨げる要因となりうるが,その原因はわかっていない.筆者らは,重症COVID-19患者の二次リンパ器官(リンパ節と脾臓)およびCOVID-19患者の急性期と回復期の末梢血を用いて,それぞれ多重蛍光免疫染色とフローサイトメトリーにてその性状を解析した.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.