Japanese
English
報告
山口県における性感染症の動向と相談の実態
Trends in Sexually Transmitted Diseases and Actual Consultations in Yamaguchi Prefecture
木倉 悠子
1
,
渡邊 淳子
2
Yuko KIKURA
1
,
Junko WATANABE
2
1山口県医療政策課
2周南公立大学
1Yamaguchi Prefecture Madical Policy Division
2Shunan University
キーワード:
性感染症
,
HIV
,
動向
,
相談
,
迅速検査
,
sexually transmitted diseases
,
trends
,
consultation
,
quick laboratory test
Keyword:
性感染症
,
HIV
,
動向
,
相談
,
迅速検査
,
sexually transmitted diseases
,
trends
,
consultation
,
quick laboratory test
pp.47-57
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7011200124
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抄録
【目的】全国ならびに山口県の性感染症の動向と現状及び課題を明らかにし、今後の性感染症予防対策における示唆を得ることを目的とする。
【対象と方法】厚生労働省エイズ動向委員会及び山口県感染症情報センターによる公開データをもとに、2011年から2020年の10年間における全国ならびに山口県の性感染症、HIV・AIDSの動向を分析した。
【結果】全国、山口県ともに、性器クラミジア感染症の報告数は4年連続で増加しており、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、淋菌感染症はほぼ横ばいで推移している。梅毒の報告数は、年々急激に増加していたが、2018年をピークに再び減少に転じている。全国におけるHIV感染者・AIDS患者を合わせた2020年の新規報告数は、過去10年間で最も少なかったが、AIDSを発症して初めてHIV感染が判明する、いわゆる「いきなりAIDS」の割合は、全国、山口県ともに過去10年間で最高値となった。保健所等におけるAIDS検査(HIV抗体検査)件数及びHIV・AIDS相談件数は、いずれも2020年に大幅に減少した。
【結論】2019年12月に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID−19)の感染拡大に伴う行動制限や保健所業務の逼迫により、HIV検査や治療、相談へのアクセスが制限されたことが、「いきなりAIDS」率の増加に繋がっていると考えられる。加えて性器クラミジア感染症が年々増加しており、梅毒も高い数値で推移していることから、今後HIV感染がさらに広がる危険性がある。性に関する相談・検査体制及び教育活動のより一層の拡充が求められる。
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