特集 全身疾患と口腔咽頭病変
感染症
性感染症
保科 斉生
1
,
吉田 正樹
1
Tokio Hoshina
1
,
Masaki Yoshida
1
1東京慈恵会医科大学感染症科
キーワード:
性感染症
,
梅毒
,
HIV
Keyword:
性感染症
,
梅毒
,
HIV
pp.698-702
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000637
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はじめに
古くから「口は災いの元」と言われるが,それは性感染症においても然りである。性感染症を引き起こす病原体の多くは,性器や肛門周囲の粘膜に感染し病変を形成するが,一部の病原体は口腔咽頭粘膜に感染することができる。性感染症の口腔咽頭病変は,一般的に無症状もしくは症状が軽微であることが多く,本人が感染したことに気がつかない場合も多い。このような不顕性感染の状態で,不特定多数の相手と性行為を行うことで感染が拡大すると考えられている。つまり口腔は性器・肛門にならぶ性感染症の好発臓器であり,感染を媒介する臓器の1つであると言える。
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