Japanese
English
レポート「現場最前線」
大学病院における「嚥下相談」の活動報告
Consultations on swallowing in a university hospital
磯野 千春
1
,
宇城 恵
2
,
杉原 嘉直
1
,
田村 友美
1
,
山本 ちはる
1
,
糸数 万紀
3
1近畿大学病院リハビリテーション部
2近畿大学病院看護部
3近畿大学医学部リハビリテーション医学
キーワード:
嚥下障害
,
相談
,
経口摂取
,
嚥下機能検査
,
dysphagia
,
consultation
,
oral taking
,
evaluation
Keyword:
嚥下障害
,
相談
,
経口摂取
,
嚥下機能検査
,
dysphagia
,
consultation
,
oral taking
,
evaluation
pp.86-89
発行日 2025年3月15日
Published Date 2025/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134958280220010086
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【目的】近畿大学病院では,嚥下機能の精査は困難だが経口摂取を進めたい患者に関し,言語聴覚士と摂食嚥下障害看護認定看護師がスタッフに助言する「嚥下相談」を始めた.本活動を報告する.
【方法と結果】相談記録より後方視的に調査した.相談は47件で,脳神経外科からの依頼が最多であった.対象の年齢は70代が18名と最多で,対象の28名(60%)に認知機能低下や意識障害を認めた.Nasal High Flow療法や気管切開を有した相談も7名(1.5%)あった.相談の多くは「先行期障害のため嚥下機能評価が困難だが,経口摂取が可能か判断して欲しい」であった.
【結論】本来の活動目的に加えて,高齢者終末期における経口摂取の可否や気管切開患者の嚥下評価依頼もあった.経口摂取の開始基準をあらためて周知することや,医療倫理に基づく経口摂取中止の提案が重要である.

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