Japanese
English
報告
回旋異常分娩の診断と対応に関する文献検討
Study on The Diagnosis and Treatment of Occiput Posterior Delivery
佐々木 綾子
1
,
竹 明美
1
,
近澤 幸
1
Ayako SASAKI
1
,
Akemi TAKE
1
,
Sachi CHIKAZAWA
1
1大阪医科大学看護学部
1Osaka Medical College Faculty of Nursing
キーワード:
回旋異常分娩
,
診断
,
対応
Keyword:
回旋異常分娩
,
診断
,
対応
pp.65-74
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7011200084
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要旨
目的
回旋異常分娩に関する文献検討から、診断と対応の現状と課題について明らかにする。
対象と方法
研究デザインは文献研究であった。和文は解説13件、研究論文3件、英文はRCT4件を分析の対象とした。
結果
1.診断については、1)遷延分娩が診断の糸口である、2)外診・内診は精度に課題があり、超音波診断法の併用が推奨されていた。
2.対応では、1)経過観察、2)用手回旋を試行する、3)分娩4要素の正常性の維持として(1)体力の保持と救急対応(2)側臥位や四つん這い、蹲踞位をとってみる(3)陣痛促進(4)急速遂娩(吸引分娩・帝王切開)があげられた。しかし、用手回旋を試行する、側臥位や四つん這い、蹲踞位は、効果的な対応策ではなかった。
3.英文のRCTでは、側臥位、四つん這いなどの実施の有無による前方後頭位への改善割合に、対照群との有意差は認めなかった。しかし、腰痛は有意に減少し、快適性は向上した。
結論
回旋異常分娩の診断の精度をあげるための課題では、1)分娩第1期の初期段階でまずスクリーニング的に外診・内診と超音波診断法を併用し、回旋異常の有無について診断する、2)対応では(1)長時間経過してからの診断は、修正が難しく、早期に診断して適切な介入を行う、(2)四つん這いなどの姿勢による回旋異常の修正は確実なものではないことをふまえる、(3)回旋異常分娩の産婦や家族の心理面への影響の解明、(4)産婦・家族には骨盤内で起こっている分娩機転の理解は難しいため、視覚資料などにより現状を理解させることなどがあげられた。
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