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要旨
目的
本研究は、母性看護学実習における妊娠期の臨地実習前の学内演習の現状と学生が臨地実習で戸惑った看護技術の内容を明らかにし、臨地実習に役立つ学内演習での教授法を考察することを目的とした。
対象と方法
2017年7月、A大学学生174名に無記名自記式質問紙調査を実施した。調査内容は、属性・妊婦と接した経験・母性看護学に対する苦手意識・学内演習時の状況・臨地実習前後の心理・臨地実習での達成度・臨地実習での戸惑いであった。JMP13を用い単純集計及びWilcoxonの符号付順位和検定にて解析した。実習での戸惑いについては内容分析を行った。本研究は、人を対象とする医学系研究の倫理指針に基づき上武大学生理学・看護学等研究倫理委員会の承認(承認番号:17-S02号)を得て行った。
結果
回収率51.1%、有効回答率96.6%、女性82.6%、男性17.4%であった。これまでに「妊婦と接した経験なし」59.3%、母性看護学が、「苦手」な学生が61.6%、実習が「楽しみ」な学生は55.8%、実習終了後「充実していた」学生が75.6%であった。
妊婦と接した経験のない学生も臨地実習を楽しみだと感じていた。母性看護学が得意だと感じている学生は、実習前に臨地実習を楽しみだと感じていた。また、臨地実習を楽しみだと感じていた学生は実習後達成感を感じていた。
学内演習の際、手順をすべて記憶して臨んだ学生は全項目において約30%であった。子宮底測定、浮腫の観察は、演習時に周りの学生から助言を受けるくらい出来ていれば、実習での達成度は高かった。しかしレオポルド触診法と腹囲測定の際のメジャーをスムーズに腰の下に挿入する技術については演習での取り組みと実習での達成度に関連がなかった。
実習での戸惑った内容では、自由記述から168のコードが抽出され、【緊張と手技の不慣れ】【知識不足を実感】【コミュニケーションでの情報収集の困難さ】の3つのカテゴリーが抽出された。
結論
1.母性看護学の講義で苦手意識を払拭する授業方法の工夫が必要。
2.実際の妊婦に近いモデル人形の導入の検討。
3.メジャーの使い方、コミュニケーション技術は重要な看護技術のため、演習の強化が必要。
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