Japanese
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実践講座 リハビリテーションにおける精神症状への対応・4
せん妄
Delirium.
佐藤 晋爾
1
,
朝田 隆
2
,
斉藤 秀之
3
Shinji Sato
1
,
Takashi Asada
2
,
Hideyuki Saito
3
1筑波記念病院精神科
2筑波大学臨床医学系精神医学
3筑波記念病院リハビリテーション部
1Department of Psychiatry, Tsukuba Memorial Hospital
2Department of Psychiatry, Institute of Clinical Medicine, University of Tsukuba
3Department of Rehabilitation, Tsukuba Memorial Hospital
キーワード:
せん妄
,
対応
,
診断
Keyword:
せん妄
,
対応
,
診断
pp.695-698
発行日 2007年7月10日
Published Date 2007/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100998
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はじめに
せん妄は総合病院において医療者が出会う,もっとも身近な精神症状であろう.この状態ゆえに,患者は,点滴の自己抜去,興奮,安静を保てないなど,「治療に非協力的」となる.しかし対応次第では,原疾患の治療続行が全く不可能になるのはまれであろう.一方で,筆者の狭い経験でも,せん妄で興奮状態となり,「治療不能」として治療半ばで退院となった例や,なかには「精神病なので精神病院に転院して欲しい」と主治医から説明され,困惑して精神科外来に訪れた家族の例もあった.
確かに幻覚・妄想があり,興奮しているせん妄患者は,いかにも“精神病”の罹患を思わせるかもしれない.しかし,せん妄はあくまで一過性の状態であり,いわゆる精神病ではなく,回復するものであることを忘れてはならない.それだけに粘り強く対応していく必要がある.
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