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要旨
目的
文献検討により、新生児および乳児の入浴時の事故に関して実態や予防策について既存の研究を整理することを目的とした。
対象と方法
『医学中央雑誌』Web版を用い、(新生児 or 乳児)and(入浴 or 沐浴)and(事故 or 危険)を検索式とし、1999年から2018年の20年間に発表された看護文献(原著論文,会議録除く)を検索した(2018年8月12日検索)。その結果、53件が該当した。うち、タイトルおよび抄録から新生児および乳児の入浴時の事故の実態や予防について述べられた文献を選択し、看護学生などを対象とした看護教育に関するものを除外した。その結果得られた10件に、ハンドサーチによって検索した2件を追加し12件を分析対象とした。
対象とした文献12件について、文献が発行された年次推移や研究対象を把握するとともに、新生児および乳児の入浴時の事故の実態や予防の視点で内容を整理した。
結果
研究対象は、溺水事故の症例がほとんどであった。
溺水事故の多くは自宅の浴槽内で発生しており、養育者が一緒にいたにもかかわらず、監視が不十分となった一瞬に起きていた。また、0歳の時期に発生した事故の内容の上位に入浴用品での溺水が挙がっていた。報告された症例の中には死亡事例もあり、発見されてからの応急処置の実施が生死を分けていた。第1発見者は母親が最も多かったが、第1発見者による蘇生処置は十分とはいえず、溺水事故の応急処置を学んだことがある養育者は半数以下であった。
結論
以上の結果より、養育者に具体的な事故予防を指導し、事故や危険を防ぐことが不可欠である。また、入浴用品に関して、安全を最優先して、商品を改善することや、養育者に対して、正しい使用法や起こりうる事故や危険を周知することが必要である。そして、妊娠中の保健指導や産後の乳児健診などの機会を活用して緊急時の対応を指導することが必要である。
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