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要旨
目的
本研究の目的は、1.家庭で行われる新生児期および乳児期の沐浴・入浴についての母親の困りごとの実態を明らかにする、2.困りごとについて初産婦・経産婦を比較する、3.今後の看護のあり方について検討することである。
対象と方法
3〜4か月健康診査に来所した母親757人に無記名自記式質問紙を配布し、郵送法で回収した。分析は、有効回答を得られた380人を対象とし、調査項目ごとの記述統計を行った。また、沐浴・入浴の困りごとについて、推測統計にて初産と経産を比較した。
結果
困りごとの内容としては、沐浴については「緊張した」「しっかり洗えているか」「体の支え方」、入浴については「しっかり洗えているか」「疲れた」「滑る、お湯がかかる、溺れるなどの危険」の順で多かった。沐浴、入浴ともに、半数以上が困りごとを抱えていた。沐浴についての指導は大半が受けていたが、入浴についての指導は受けていなかった。初産婦と経産婦の比較では、沐浴の困りごとに関しては「しっかり洗えているか」「緊張した」「体の支え方」などが、入浴の困りごとに関しては「しっかり洗えているか」「緊張した」「滑る、お湯がかかる、溺れるなどの危険」などが経産婦より初産婦に有意に多かった。母親・家族への支援として、沐浴について妊娠中の母親教室や両親教室、産褥期の退院時、2週間健診の際に、より強化した支援が必要である。また、入浴に関しては、母親の産褥入院中や健康診査、家庭訪問の際に方法の指導や困りごとの確認を行うことが必要である。さらに、看護職の研修などにおいて、沐浴・入浴に関する実態や母親の困りごとについて看護職に周知することが必要である。
結論
以上の結果より、沐浴・入浴に関して母親は困りごとを抱えており、看護職による支援が必要であることが明らかになった。
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