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特集3 COVID-19緊急事態宣言の経験から考えること
ポストコロナ時代の老年看護の実践において大切にしたいこと
What Is Important in the Practice of Geriatric Nursing Post-COVID-19
西村 知子
1
Tomoko Nishimura
1
1久留米大学病院
1Kurume University Hospital
pp.21-23
発行日 2022年7月31日
Published Date 2022/7/31
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- Abstract 文献概要
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Ⅰ.はじめに
2020年1月16日に国内初のCOVID-19(coronavirus disease 2019;新型コロナウイルス感染症)罹患者が確認され,約2年半が経過した.筆者が勤務する病院では,COVID-19感染対策を講じながらの通常診療に加え,第1波より重症,のちに中等症COVID-19患者を受け入れてきた.そして現在も,変化するCOVID-19感染状況に合わせ,随時診療形態を模索し続けている.
急性期病院では,高齢者を疾病モデルとしてとらえ,治療効果が得られることに注目した看護が展開されることが多い.しかし,入院するのみで,長期の床上安静に伴う褥瘡や筋力低下,せん妄や精神機能の低下など,生活上のさまざまな問題が引き起こされることも多く,いままでの生活の継続や再構築に対する視点をもつことが重要である.そのためには,入院中のケアや退院後の療養先を見据え,家族や高齢者に関わる地域の専門職などと,入院前から情報共有することが重要であるが,コロナ禍では,そのやりとりが十分ではない場面もある.
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