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日本老年看護学会第18回学術集会特集Ⅰ 会長講演
輝く老いを拓く老年看護学の構築
The Role of Gerontological Nursing for Nursing Care of Older Adults
小西 美智子
1
Michiko Konishi
1
1岐阜県立看護大学
1Gifu College of Nursing
pp.5-9
発行日 2013年11月30日
Published Date 2013/11/30
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1.高齢者の健康状態について
日本の平均寿命は2012年に男性は79.9歳,女性は86.4歳に達し,世界全体でみても上位の高いレベルにある.平均寿命の延伸は,同時に高齢者の生活の質の向上を示す健康寿命の延伸を伴うことが必要である.健康寿命の延伸を目指すためには高齢者の生活にかかわる老年看護学の機能・役割が重要であると考える.
わが国の総人口は年々増加を続け2007〜2010年ごろが最大となり約1億28,000千人台に達し,その後徐々に減少し始めている.それは出生数が1955年ごろから減少し,15歳未満の年少人口が1985年ごろから減少し始めたことが要因である.老年看護学の対象である65歳以上の老年人口は,医学の進歩,生活環境の改善等により平均寿命の延びが示すように徐々に増加し,1980年ごろには10,000千人台,2000年には22,000千人台となり,2011年には29,752千人となった.その結果総人口に占める老年人口の割合は2005年に20.2%,2012年度は24.4%と増加がいちじるしい.今後も老年人口は増加を続け,2030年には総人口の30%を超え,30年後の2060年には40%に達するという試算が出ている.老年人口を年齢が65〜74歳である前期高齢者と75歳以上である後期高齢者で比較すると,2011年では65歳以上の人口30,670千人のうち,後期高齢者数は15,145千人であり前期高齢者数がやや多いが,今から2年後の2015年には後期高齢者が前期高齢者の人口より多くなると推定されている.
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