Japanese
English
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
はじめに
老年看護教育が対象とする65歳以上の高齢者人口は,わが国においては平成12年には2,187万人となり,全人口の17.2%を占めるようになった.そして高齢者の仲間入りする65歳の者は,平均寿命の延びに伴って,平均余命として男子は17年間,女子は22年間あることになり,この17年間および22年間は誕生した子供が成人になる年齢に匹敵することから,この間の高齢者の心身の健康状態および社会生活状況は個人差が大きい.また100歳の長寿を全うする者も多いことから,この長い老年期に看護職としてかかわる場合,高齢者個々のヘルスニード,生活ニードを尊重した高齢者の健康支援および生活支援となる看護ケアを実施することは必要である.
わが国における健康づくり政策は,1978年から長寿社会の到来に備えて,明るく活力のある社会の構築を目指して始められた.1988年には人生80年時代が現実となったことから「アクティブ80ヘルスプラン」と称し,1人1人が80歳になっても身のまわりのことができ,社会参加もできるような,いきいきとした生活を送ることにより,明るく生き生きした社会を形成しようということになった.これは1986年のWHOオタワ憲章「ヘルスプロモーション」とも関連がある.
オタワ憲章では「ヘルスプロモーションとは人々が自らの健康をコントロールし,改善することができるようにするプロセスである」と定義し,個人および集団を対象にして,健康に関する情報の提供,助言,支援,技術訓練を通した健康教育によって,その過程をより適切に推進できるようにすることで,看護職はヘルスプロモーションのプロモーターの役割があると指摘している1).
Copyright © 2000, Japan Academy of Gerontological Nursing All rights reserved.