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1.日本老年看護学会への加入と老年看護学の教育・研究体制づくり
わが国が高齢化社会といわれる総人口に占める老年人口割合が7%を超えたのは1970年である.それから1990年代までに老人保健法の制定,高齢者保健福祉推進10か年戦略(ゴールドプラン)の提案,老人訪問看護ステーション制度の設立等多くの高齢者対策が推進され,また看護学教育分野においても老年看護学が看護師国家試験の受験資格要件に科目立てされた.これは,老化による心身の機能低下が生活習慣病等の発症・悪化を引き起こし,高齢者が寝たきりになるという状況に関する調査研究成果が報告され,その連鎖を阻止して寝たきり状態を予防し改善するために,高齢者の特性を踏まえた老年看護学教育が必要となったためである.
広島大学医学部保健学科看護学専攻では1992年に地域・老年看護学講座に老年看護学と地域看護学の講義・演習・実習のカリキュラムを組み立て,文部科学省に設置申請を行い開設した.そして1995年に日本老年看護学会(以下,本学会)の設立総会の案内を受け取ったころ,私は地域・老年看護学講座の看護学教授として,大学教育における地域看護学と老年看護学の目的・理念とそれに基づく科目内容を,講座の医学系教授および看護学教員と検討しながら推進していた.本学会設立発起人はいずれも老年看護学の教育・研究の先駆者であり,老年看護学の教育・研究に多くの示唆を得ることができると確信した.また老年人口割合が14.6%を超え高齢化社会から高齢社会となり,老年看護を実践できる看護師の育成が喫緊となったことで,看護学教育における老年看護学の必要性・重要性が高まり教育内容の充実にその責務を感じた.
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