Japanese
English
日本老年看護学会第14回学術集会特集 シンポジウム「認知症ケアにおける臨床の知」
治療する私,ともに生きる私〜医師の意識変化について〜
A Change from MD to a Person Who is Living with PWD
松本 一生
1,2
1松本診療所ものわすれクリニック
2元大阪人間科学大学
pp.25-28
発行日 2010年5月15日
Published Date 2010/5/15
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
はじめに
筆者が認知症の人とその家族の支援をすることを目標に地域での精神科開業医となってから18年を迎える.地域の中で活動を始めた当時,認知症の家族をケアすることに疲れた家族が混乱の中で受診してきた際に,「自分のような程度の低い精神科医でも,誰もかかわらないよりはかかわったほうがましだろう」と,今から思い起こせばわけのわからない納得をしながら医師としてその人たちの治療を担当してきた筆者の意識と,その後,認知症の人自身が多くを語り自らの内面を発表するようになり,その人たちが単なる「困った病気の人たち」などではなく,自らの病を悩みつつそれでも生きようと努めている人々であることを知った時期の筆者の意識とではずいぶん変化した.本稿を通して自らの臨床における意識の変化を振り返りながら「かかわりへと向かう意味」を考えた.
Copyright © 2010, Japan Academy of Gerontological Nursing All rights reserved.