特集 非がん患者の緩和ケア
コラム:—私にとっての緩和ケア—ともにあり,つながるということ
渡邊 章
1
1はしもと内科
pp.668
発行日 2025年7月15日
Published Date 2025/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540590070668
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私は,難病やがんの方をよく担当する.最初の一人は,がん緩和ケアの病院でお世話になった父だった.作業療法士が導入以前の時代で,「トイレに死ぬまで行きたい」という父のため,まだ素人の私が椅子で動線をつくった.
自分も最初はケアされる側だった.15歳のときに右足が麻痺して,第一人者のA医師から,「これは先天性で,もう治らない.運動はしないように.加齢で進行するので,またいらっしゃい」と告知された.ショック体験後を生きて,何とか自分で生き延びよう,治そうとするうちに,気づけばケアする側になっていた.
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