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資料
災害による病院避難時のトリアージで看護職が経験する倫理的葛藤に関する文献検討
Nurses' Ethical Challenges in Disaster Triage during Hospital Evacuation: a Literature Review
田中 加苗
1
,
鈴木 千琴
2
,
藤井 愛海
3
,
中島 麻紀
4
,
原 朱美
5
,
中山 洋子
6
,
南 裕子
7
,
片田 範子
5
Kanae Tanaka
1
,
Chikoto Suzuki
2
,
Megumi Fujii
3
,
Maki Nakajima
4
,
Akemi Hara
5
,
Yoko Nakayama
6
,
Hiroko Minami
7
,
Noriko Katada
5
1聖路加国際大学
2済生会横浜市東部病院
3日本赤十字豊田看護大学
4名古屋大学大学院医学系研究科
5関西医科大学
6文京学院大学
7神戸市看護大学
キーワード:
病院避難
,
トリアージ
,
倫理的葛藤
,
hospital evacuation
,
triage
,
ethical challenges
Keyword:
病院避難
,
トリアージ
,
倫理的葛藤
,
hospital evacuation
,
triage
,
ethical challenges
pp.50-61
発行日 2022年5月31日
Published Date 2022/5/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7008200580
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抄録
目的:災害時の病院避難時トリアージに関わる看護職の準備性の向上に貢献するため、国内外での病院避難の実態を調査し、看護職がトリアージの際に経験した倫理的葛藤を明らかにすることとした。
方法:医学中央雑誌web版およびPubmedにて「病院避難」をキーワードに検索した。選定基準を満たした文献の病院避難の過程やトリアージに関する記述を抽出し分析した。
結果:18件の論文と関連書籍1件の記述を検討した結果、病院避難時のトリアージの対象は、患者、職員、職員家族、近隣住民、ペット、トリアージ根拠は、重症度、緊急度、ADL、呼吸循環補助装置使用の有無、自力歩行の可否、年齢、搬送手段などで、原発災害時やハリケーンカトリーナで看護職が経験した倫理的葛藤が見いだされた。
結論:病院避難トリアージで看護職が経験する倫理的葛藤は、患者の無害尊重と自律尊重の対立、患者の生存の権利と看護職の生存の権利の対立、避難を支援される側と支援する側の価値の対立という3つの構造に大別され、多職種で平時に対応を議論しておく必要性が示唆された。
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