Japanese
English
資料
災害急性期における看護の倫理的課題に関する文献検討
Nurses' Ethical Issues in the Acute Phase of Disaster : an Integrated Literature Review
鈴木 千琴
1
,
田中 加苗
2
,
藤井 愛海
3
,
中島 麻紀
4
,
原 朱美
5
,
中山 洋子
6
,
南 裕子
7
,
片田 範子
8
Chikoto Suzuki
1
,
Kanae Tanaka
2
,
Megumi Fujii
3
,
Maki Nakajima
4
,
Akemi Hara
5
,
Yoko Nakayama
6
,
Hiroko Minami
7
,
Noriko Katada
8
1済生会横浜市東部病院
2聖路加国際大学
3日本赤十字豊田看護大学
4名古屋大学大学院医学系研究科
5関西医科大学
6文京学院大学
7神戸市看護大学
8三重県立看護大学
キーワード:
倫理的課題
,
災害急性期
,
資源分配
,
移送
,
法的課題
,
Ethical Issues
,
Acute Phase of Disaster
,
Resource Allocation
,
Transportation
,
Legal Issues
Keyword:
倫理的課題
,
災害急性期
,
資源分配
,
移送
,
法的課題
,
Ethical Issues
,
Acute Phase of Disaster
,
Resource Allocation
,
Transportation
,
Legal Issues
pp.17-30
発行日 2022年12月31日
Published Date 2022/12/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7008200586
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抄録
目的:災害急性期に焦点を当て、災害時の支援活動における看護職の行為とその判断を先行研究から分析し、看護職が直面した倫理的課題を明らかにする。
方法:医学中央雑誌Web Ver. 5,Pubmed,CINHAL Completeを用い、[災害][看護][実践or体験]をキーワードに検索し、加えて看護の実際が描写されている書籍も選定対象とした。選定文献から災害急性期における看護職の行為とその時の判断を分析し、倫理的課題を抽出した。
結果:22件の文献が選定され、国内文献が15件、国外文献が7件であった。分析の結果、災害急性期の看護職の行為は、生命の安全の確保、資源配分、移送の調整、死者と遺族への対応に分けられ、倫理的課題が抽出された。
結論:災害急性期に看護職が直面する倫理的課題は、①緊急時においては専門性を超えた医療行為を行うことで人命を救うことと法に触れることの対立、②平時と異なる状況下において資源の配分の平等と公平のバランスを保つ困難性への苦悩、③医療体制の維持のために広域搬送を余儀なくされた人々の心身の苦痛を予測しつつ、搬送の調整や移送中の支援を実践する葛藤、④トリアージで黒タグとされた負傷者とその遺族へのケアより他の人の救援活動が優先されるときの、前者の尊厳を守ることとより多くの人命を守ることに心の対立が生じることであった。
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