Japanese
English
研究報告
老人保健施設におけるターミナル事例に対する医療者の倫理的葛藤(Ethical Conflicts)の分析と課題
A Case Study; Ethical Conflicts and the Problems of a Terminal Stage Person
香川 由美子
1
Yumiko Kagawa
1
1岐阜大学医学部看護学科成人・老年看護学講座助手
1Department of Adult and Gerontological Nursing, Nursing Course, School of Medicine, Gifu University
キーワード:
倫理的葛藤
,
ターミナル期
,
意思決定
,
ethical conflicts
,
terminal stage
,
decision making
Keyword:
倫理的葛藤
,
ターミナル期
,
意思決定
,
ethical conflicts
,
terminal stage
,
decision making
pp.19-26
発行日 2002年12月25日
Published Date 2002/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7009200191
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Ⅰ はじめに
現在、高齢者医療をめぐっての社会問題が数々浮上している。それは高齢者への医療やケアのあり方の方向性がまだまだ見えていないという現状があるからである。高齢者に対して救命も延命も技術的には可能となった現在であるが、技術的に可能であることと、その技術を用いることは区別しなければならない。人の生命が人為的に操作可能となった現代医療からの問いかけといえるだろう。高齢者の医療はどこまで必要か、痴呆高齢者の自己決定はどこまで有効か、また食事が取れなくなったときは、積極的な栄養補給を行ったほうがよいのか等々である。それは高度医療の病院だけではなく、高齢者をあずかる施設であれば、どこでも経験する倫理的葛藤である。
そこで今回の事例検討は、老人施設としての老人保健施設の日常の中で生じている倫理的問題がどのような形で存在し、臨床上の困難さがあるのか、どのような点を整備する必要があるのかを明らかにするための仮説を導き出すことを目的としている。
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