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【報告】
日本赤十字社における災害救護ネットワークと災害救護活動
The Disaster Relief Network and Activities of Japan Red Cross Society
増子 ひさ江
1
Hisae Mashiko
1
1武蔵野赤十字病院
pp.32-38
発行日 1999年7月19日
Published Date 1999/7/19
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7008200364
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はじめに
赤十字の起こりは戦時救護からである。19世紀最大の激戦といわれたイタリア統一戦争で、オーストリ一軍とフランス・サルディニア連合軍の兵士に、1日で4万人を越す死傷者が出たといわれる。この戦場を、事業のために通りかかったアンリー・デュナンは、苦痛にうめき叫ぶ兵士たちの姿に、止むに止まれず救護に当たった。「苦痛と死から人々を助け、人が人らしく扱われること」を願った、それが赤十字の救護活動の原点である。
デュナンは国際的な救護団体の設立を提唱し、国際赤十字が組織されるに至った。赤十字の活動は現在、戦時救護に止まらず、難民救援、医療活動、各種災害の被災者救援、公衆衛生、社会福祉事業への協力など多岐に亘っている。
1995年1月17日未明に起こった阪神・淡路大震災の際、日本赤十字社が兵庫県支部に行った人的支援は、発災後約1か月間に1,080余名である。また1996年12月の、ペルーの日本大使公邸人質事件で、国際赤十字ペルー代表部のミシェル・ミニグ首席代表が、人道的・中立的な立場で行った仲介活動はまだ記憶に新しい。
日本赤十字社は国際赤十字の一員として、国の内外においてさまざまな活動をしている。
本稿では日本赤十字社における国内の災害救護ネットワークと災害救護活動について紹介する。
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