特集2 新潟県中越地震への救援活動と病院の対応
新潟県中越地震における日本赤十字社の救護活動―国内型緊急対応ユニット(dERU)の成果
槙島 敏治
1
1日本赤十字社医療センター国際医療救援部・第二外科
pp.200-203
発行日 2005年3月10日
Published Date 2005/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100130
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日本赤十字社の災害救護体制
日本赤十字社は,国内の災害に備えて全国にある91の赤十字病院の医師,看護師を中心に,5801名の救護班要員と471の救護班を常備している。救護班の構成は,班長である1名,看護師長1名,看護師2名,運転手兼主事が2名の計6名が基本であるが,施設によって助産師や薬剤師を追加している場合もある。救護班は,医薬品や医療器材を6個のジュラルミン製のトランクに収納した医療セットを用いて被災者の治療にあたる。
しかし,被災者が多く,広範囲でライフラインが途絶される大規模災害においては,この救護班と医療セットだけでは十分な対応は困難であった。そこで,国際的な災害救援に対して,国際赤十字社・赤新月社連盟が提唱している緊急対応ユニット(ERU)の導入を契機に,2002(平成14)年に国内の災害救護のためにdERU(domestic Emergency Response Unit)が開発された(写真1)。
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