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【シンポジウム】 災害看護構築の進化に向けて〜各看護専門領域の統合と実践へのつながり〜
地域看護の立場から
From the Standpoint of Community Health Nursing
宮﨑 美砂子
1
1千葉大学大学院看護学研究科
pp.72-75
発行日 2011年5月31日
Published Date 2011/5/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7008200110
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1.はじめに
地域看護の立場から話をするにあたり、まず、地域看護領域の実践の特徴について整理をしておきたい。
地域看護領域の実践の目指すところは、対象者の生活を社会との繋がりの中で豊かにしていくことである。また予防活動に貢献するということが挙げられる。ここでいう予防活動とは、二次的な障害を予防することに留まらず、障害を未然に防いでいくという意味をもつ。さらに、看護実践の機能を組織的に適応すること、つまり、1つひとつの看護実践や機能を持続性のあるシステムとしていくことが挙げられる。実践をシステムとしていくということは、地域(コミュニティ)を構成する人々に実践を浸透させていくという意味において必要不可欠である。
地域看護領域の実践の対象は、個人、家族、さらに特定集団−それは例えば子育て中の親たちのように同じ課題をもつ特定の人々、そしてコミュニティである。地域看護領域の実践の対象であるコミュニティとは、一定の生活空間の中で、生活上の慣習や価値観などの文化を暗黙のうちに共有している人々を意味する。地域看護領域の実践の最小単位は個人や家族であるが、個人や家族は特定集団にも、コミュニティにも帰属しており、地域看護領域の対象とは重構造になっている。それ故に地域看護領域の実践は、対象とする個人、家族、特定集団、コミュニティのそれぞれをつねに連動させて理解することによって問題を特定し、それぞれの対象に働きかけることによって活動を重層的に展開する。
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