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【シンポジウム】 災害看護構築の進化に向けて〜各看護専門領域の統合と実践へのつながり〜
感染看護の立場から
From the Standpoint of Infection Nursing
三橋 睦子
1
1久留米大学
pp.75-81
発行日 2011年5月31日
Published Date 2011/5/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7008200111
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1.はじめに
感染症の成立は、病原体、感染経路、宿主(ヒト)の感受性の3要因が全てそろって成立します。感染症の対策を考えるうえでの基本は、これら三つの要因をコントロールし、要因の成立を阻止することであり、感染制御が感染看護の一つの大きな役割といえます。また、感染症に罹患し発症した人のケアや、感染症にかかりやすい易感染者あるいは感染症要支援者への看護も重要な役割であり、ともに感染症看護の柱となります。
災害看護の進化に向けて、感染症看護との統合を検討する為には、まず災害と感染症との関連を知ることが大切と考えます。災害看護における感染症領域には(表1)、感染症そのものが集団発生することに起因して災害となる、インフルエンザ、エボラ出血熱、ペスト、鳥インフルエンザ、SARS等があります。自然発生ではありませんが、バイオテロもこれに分類されます。これとは別に、環境の変化や避難所での、水、食料、サニテーション等の衛生状況の悪化に伴って発生する、感冒、インフルエンザ、結核、食中毒等、災害により二次的に発生する感染症があります。また、罹患しやすい対象は、災害時要支援者といわれる小児、高齢者、慢性疾患の既往を持っている人々です。まずこれまでの災害と感染症を振り返りたいと思います。
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