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【巻頭言】
「放射線看護学」の確立と普及
Research and Development for Radiological Nursing Sciences
草間 朋子
1
Tomoko Kusama
1
1東京医療保健大学
pp.1
発行日 2013年12月25日
Published Date 2013/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7008200002
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- Abstract 文献概要
平成21年3月11日に発生した東日本大震災は、地震、津波、そして原子力発電所の事故にまで発展し、世界中を震撼とさせる大規模災害となってしまいました。原発事故の規模は、国際的な事故尺度(INES)では1986年に発生したチェルノブイリ原子力発電所の事故と同じレベルの最悪の事故でした。放射性物質による汚染土壌等の除染作業などは思うよう進まず、原発周辺の区域は、「帰還困難区域」として現在も立入りができない状態が続いており、自主避難者を含めると、今なお、約3万5,000人が避難生活を送っております。
原子力災害に関しては、放射線・放射性物質の存在そのものを人間の五感で直接把握することができないために災害の広がりや程度を自分たちで判断することができないこと、放射線被ばくに伴う健康影響に関しては被ばく後長期間にわたって出現する可能性があることなども関連し、被災住民の方々の不安は、日に日に増大し長期化する傾向さえあります。住民にとって最も身近な存在である、保健師、看護師、助産師が、放射線被ばく、放射線影響、放射線防護等に関する正しい知識をもって、住民の不安の解消に向けた役割を果たすことが期待されております。
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