研究報告
喉頭摘出術後の患者の実態調査—呼吸,会話,食事,生活行動,希望,手術の満足度の面からQOLを検討する
山口 淳子
1
,
山田 フミコ
1
,
副島 明美
1
,
山本 恵美
1
,
松本 公子
1
1大阪府立成人病センター
pp.29-36
発行日 1996年12月1日
Published Date 1996/12/1
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要約
喉頭摘出術を受け退院した患者のQOLを検討するため,外来通院中の患者を対象に,呼吸,会話,食事,生活行動についてアンケート調査を行った.その結果,QOLを左右する要因を見い出すことができた.
1)会話の方法は肉声であり,器具を使わない食道発声法が最も有用である.
2)手術後の嚥下障害に対しては,ゆっくり食べる,水分と一緒に摂るなどの注意が必要である.
3)気管孔の管理は,術後1年以内がトラブルが多く,不安,苦痛を伴うので,特にこの時期には適切なアドバイスが必要である.
4)ひとりで外出できるようになるのは退院後約3ヵ月である.また,発声教室への参加は,食道発声の習得のみならず,生活行動および精神的自立に大きく貢献している.
5)手術を受けて良かった,と実感できるのは術後5年以上たってからである.
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