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研究報告
自己否定的感情を表出するがん患者への新人看護師の感情と対応
Feelings and Reactions of New Nurses to Patients Expressing Negative Feelings
松田 芳美
1
Yoshimi Matsuda
1
1宮城県立がんセンター
1Miyagi Cancer Center
pp.34-40
発行日 2008年12月25日
Published Date 2008/12/25
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Ⅰ.研究の背景と目的
がん専門病院におけるがん告知率は85.2%,終末期における病名告知率は72.6%であり1),がん専門病院におけるがん患者の9割近くが自分自身の病名を知っていることがわかる.また,がんと診断を受けた患者は,なぜ自分だけが辛い思いをするのか,生きている意味がないと死や予後に対する不安や恐怖を看護師に語ることが多い2)3).このことから,がん告知率の高まりと同時にがん告知を受けた患者への看護援助の重要性がいえる.
しかし,がん患者にかかわる看護師の84%は,病名を告げられた患者と病気について話すことをストレスに感じている4).さらに,患者からの不安や苦痛の表出に,看護師は不安,恐れ,戸惑いを抱き,1〜2年目の看護師では無力感,3年目以上ではすまなさを感じ自分自身への苛立ちにつながっている5).しかし,経験年数の多い看護師は困難さを感じながらも自分なりの対応や積極的なかかわりをしている6).他方,経験年数の少ない看護師は対応がわからず患者から遠ざかる傾向がある7)ことから,看護師はがん患者が不安や恐怖を語る場面で,経験年数に関係なく困難さを感じるが,その後の対応では経験年数で違いがあるといえる.
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