特集 看護の場は個を生かしうるか
新人看護婦の病人への感情を表出させよ—新人看護婦Tさんへの返書
富田 幾枝
1
1岡山大学医学部付属看護学校
pp.1216-1221
発行日 1977年12月1日
Published Date 1977/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918274
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Tさんの手紙
富田さん,お元気ですか,私のほうはまいっている状態です.この間,深夜勤務をして,私はほとほとこの病棟がいやになってしまいました.私の看護観というか性格では,とてもこの病棟には不向きということを思い知らされたのです.
この病棟のナースは,管理・監視で,何事も起こらないようにできるだけ予防する.私はまず,患者が楽に過ごせるようにしようとする,ということです.この病棟では,前者のほうを重視しなければいけないようです.それは私にもよく分かります.でも,あっさりとできません.もうこのあたりでこの病棟のナースとしては失格のようです.
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