Japanese
English
資料
皮膚電気活動と家族の感情表出
Galvanic Skin Reflex and Expressed Emotion of Families
藤田 博一
1
,
下寺 信次
1
,
氏原 久充
1
,
三野 善央
2
,
井上 新平
1
Hirokazu FUJIA
1
,
Shinji SHIMODERA
1
,
Hisamitsu UJIHARA
1
,
Yoshio MINO
2
,
Shimpei INOUE
1
1高知医科大学神経精神医学教室
2岡山大学医学部衛生学講座
1Department of Neuropsychiatry, Kochi Medical School
2Department of Hygiene & Preventive Medicine, Okayama University Medical School
キーワード:
Schizophrenia
,
Expressed emotion
,
Galvanic skin reflex
,
Electrodermal activity
Keyword:
Schizophrenia
,
Expressed emotion
,
Galvanic skin reflex
,
Electrodermal activity
pp.1003-1009
発行日 1999年9月15日
Published Date 1999/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904846
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精神疾患の症状経過に及ぼす環境因子の中で,家族が患者に向ける感情の表出(Expressed Emotion;EE)が,主に精神分裂病と感情障害を対象に研究されてきた。日本においても欧米でのEE研究と同様に,家族のEEが分裂病6,18)や感情障害25)の症状経過に影響を及ぼすことが示された。また,EE研究はその対象疾患が老人の精神疾患15,26)や摂食障害2)に広がり,さらに,患者の社会機能に対する影響も検討されている5)。
これまでEE研究は,家族が患者に与える影響を主に調べてきた。その逆に,家族から向けられる感情を患者がどのように受け止めるかという点についての研究は数少ない。その中では,研究は2つの方向に分けられる。1つは,患者がEEをどのように認知しているかを測定しようとする研究である。1988年にColeらは,Level of Expressed Emotion(LEE)という60項目からなる質問紙による検査を開発した1)。これは,家族面接によってEEを測定していたそれまでの方法と違い,患者側の視点に立ったより直接的な方法である。より簡単に,また家族の協力がなくてもEEを評価できる点で便利な方法である。1990年には,Kazarianら8)が,LEEとCamberwell Family Interview(CFI)の全点数には関連があると述べている。1997年に,Gerlsmaら4)は,26人の外来でのうつ病患者と対照者を比較し,LEEとうつ症状,人間関係の不満,ストレスへの対処法と関連していたことを示している4)。
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