巻頭言
看護学学術用語―現在・過去・未来
和住 淑子
1,2
1日本看護科学学会
2千葉大学大学院看護学研究科
pp.1
発行日 2013年6月20日
Published Date 2013/6/20
- 販売していません
- 文献概要
看護学学術用語検討委員会委員長を拝命してから,2年が過ぎようとしている.どのような活動が期待されているのか,何をなすべきなのかを常に問いかけながらの2年間であった.任期を終えるにあたり,看護学学術用語の現在・過去・未来について,委員長としての所感を述べたいと思う.
日本看護科学学会に看護学学術用語検討委員会が発足してから25年が経つ.1986年の委員会発足当時は,看護が扱う現象を説明する用語の概念統一がなされていない,という課題があり,最も会員の要望の多かった「看護過程」から,概念の明確化が進められた.最終的に35の核的用語をまとめた『看護学学術用語』(1995年)が刊行された.1997年には,介護保険法が成立し,看護行為を介護と区別しながら概念化する必要性や,看護記録の開示,電子カルテ化といった社会の要請が高まる中で,『看護行為用語分類』(2005年)が刊行された.その後,看護系大学が200校に迫る勢いで急増し,改めて看護学を説明する用語を明確化する必要性が高まり,『看護学を構成する重要な用語集』(2011年)が刊行された.
Copyright © 2013, Japan Academy of Nursing Science. All rights reserved.