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資料
看護研究における組織文化の概念分析
A Concept Analysis of Organizational Culture in Nursing Research
荻野 雅
1
Masa Ogino
1
1日本赤十字看護大学大学院看護学研究科博士後期課程
1Doctral Student, Japanese Red Cross College of Nursing
pp.106-117
発行日 1998年12月7日
Published Date 1998/12/7
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1.はじめに
近年,高齢化社会の到来,不況などの社会情勢により保健医療施設では医療費を削減し,経営効率を考慮しなければならない立場に立たされている.同時に質の高い医療が求められていることは言うまでもないが,近年の患者権利意識の高まりは,医療者に十分なインフォームドコンセントやカルテの公開など透明性のある医療をも求めている.これらの保健医療施設への社会的ニーズの変化に伴い,その組織の変革の必要性が言われている.
組織変革を成功させるためにはその施設文化を理解することが必要であることは周知の通りである.なおかつそれは看護サービスの質の向上につながると指摘されている1)2).
しかし文化という概念は社会学,心理学,管理学など多領域の中で様々に用いられており,文化が存在することは誰もが認めるところではあるものの,それとは何かという明確な定義はない.
看護学の中で扱われている組織文化とは何を指しているのだろうか.本論文は看護研究の中で組織文化がどのように述べられているかを検討し,さらに保健医療施設での参与観察を通して研究者のその施設文化に慣れ親しむ過程を分析することにより,組織文化の概念を分析し,今後の研究の方向性を示唆することが目的である.
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