焦点 IT時代における看護研究の取り組み—次世代型遠隔看護システムの構築に向けて
次世代型遠隔看護システム構築に向けての取り組み
川口 孝泰
1
,
太田 健一
2
1兵庫県立看護大学
2武庫川女子大学生活環境学部
pp.283-289
発行日 2001年8月15日
Published Date 2001/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900621
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背景
21世紀を迎えて,日本では急速な情報通信技術(IT:Information Technology)の進展が予測される。それに伴って,個々人の健康問題を継続的に支援するための新しいケア技術として,遠隔看護(telenursing)への取り組みは急務の課題である8)。ITを利用した遠隔看護の実施は,海外においてはtelemedicineやtelehealthの検討とあわせて,すでにその実用化に向けての準備が進められている2)。しかし,いまだ通信環境や,それを活用する人的・社会的資源が十分に整えられていないために,実際の運用に関して問題は山積している。
国の施策として,日本では多額の予算を投じて「e-Japan戦略」9)と称したIT環境の整備に取り組みはじめている。この計画によると,2005年までには超高速アクセス(目安として30〜100Mbps)が可能な,世界最高水準のインターネット網の整備を促進し,必要とするすべての国民が低廉な料金で利用可能となるようなインフラの整備を目標としている。このような情報環境の整備により,医療環境は大きく変貌し,看護実践においては,IT環境を利用した技術開発が急速に求められると予測される。
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