日本看護診断学会第15回学術大会報告 アセスメント能力を高める看護診断
【シンポジウム・1】
看護過程におけるアセスメントのピットホール―医師の立場から
山口 哲朗
1
Tetsuro Yamaguchi
1
1宮崎県立延岡病院内科
1Miyazaki Prefectural Nobeoka Hospital
キーワード:
酸素化障害
,
代償
Keyword:
酸素化障害
,
代償
pp.53-56
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004100313
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看護過程におけるアセスメントとして,酸素化障害のアセスメントは重要である.酸素化障害のアセスメントにはSpO2が頻繁に利用されるようになっているが,SpO2のみでアセスメントすることにはピットホールが潜んでいると思われる.軽度の酸素化の低下では呼吸数の増加や心拍数の増加などの代償作用が働き,酸素化の悪化がSpO2や血液ガスのデータだけでは明らかになりにくい場合があることや,酸素の運搬にはヘモグロビンの役割が大きいことがその理由となる.SpO2と同時に,血液ガス,心拍数,呼吸数,血中ヘモグロビンなどの身体所見や検査所見のアセスメントが必要である.また,呼吸困難は必ずしも酸素化障害が原因とは限らず,酸素化障害の有無以外に,心理的要因,社会的要因,環境要因がかかわってくることが多く,まず酸素化障害のアセスメントを行うことが重要である.
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