日本看護診断学会第15回学術大会報告 アセスメント能力を高める看護診断
【シンポジウム・1】
初学者におけるアセスメントのピットホールと回避のための教育
中西 純子
1
Junko Nakanishi
1
1愛媛県立医療技術大学保健科学部看護学科
1Department of Nursing, Faculty of Health Sciences, Ehime Prefectural University of Health Sciences
キーワード:
初学者
,
ピットホール
,
思考能力育成
,
発想法
Keyword:
初学者
,
ピットホール
,
思考能力育成
,
発想法
pp.57-61
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004100314
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基礎教育においては,看護過程におけるアセスメントで対象の何をどう見て,どう解釈・判断するのか,その思考の枠組み(視点)とプロセス,および看護過程全体の基礎となる問題解決あるいは課題達成のための思考能力を身につけることを目標としている.優れたアセスメントができるためには,帰納的・演繹的思考を自在に使える論理的思考ができること,扱う現象(領域)に関して豊富な知識と経験があること,的確に情報を得る技術を有していること,文脈を読み取ることができることが必要となる.一方で,初学者が陥りやすいアセスメントのピットホールには,“問題探し”中心,具体的事実に基づかない先入観の支配,情報の解釈力・統合力の不足,情報収集とアセスメント・計画立案・実施・評価が分離していることなどが挙げられる.これらを回避していくためには,アセスメント力の基盤となる①解釈を交えず,事実を事実として取り出す力,②事実から意味を取り出し抽象化・概念化する力,③起きている現象の構造(関係)を読み取る力を育成することが重要と考え,筆者が導入しているチーム発想法について紹介した.
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