Japanese
English
【研究報告】
“急性疼痛”と診断された患者状況に対する看護師の臨床判断の適切性に関する質的追究―看護記録からの事例分析
Qualitative Inquiry for Appropriateness of Nurse's Clinical Judgment that Was Diagnosed for“Acute Pain”to Patients Conditions: Cases Analysis from Nursing Records
斎藤 紋子
1
,
黒田 裕子
2
,
棚橋 泰之
3
,
柳谷 博幸
3
,
菊池 麻由美
4
,
津田 泰伸
5
,
五藤 陽子
6
,
下舞 紀美代
7
,
原田 竜三
8
Ayako Saito
1
,
Yuko Kuroda
2
,
Yasuyuki Tanahashi
3
,
Hiroyuki Yanagiya
3
,
Mayumi Kikuchi
4
,
Yasunobu Tsuda
5
,
Yoko Goto
6
,
Kimiyo Shimomai
7
,
Ryuzo Harada
8
1静岡赤十字病院
2北里大学看護学部
3日本私立学校振興・共済事業団東京臨海病院
4東京慈恵会医科大学
5亀田総合病院
6北里大学東病院
7宮崎県立延岡病院
8神奈川県立保健福祉大学
1Shizuoka Red Cross Hospital
2Kitasato University, School of Nursing
3Tokyo Rinkai Hospital
4The Jikei University
5Kameda Medical Center
6Kitasato University East Hospital
7Miyazaki Prefectural Nobeoka Hospital
8Kanagawa University of Human Services
キーワード:
急性疼痛
,
看護師の臨床判断
,
NANDA看護診断
,
事例分析
Keyword:
急性疼痛
,
看護師の臨床判断
,
NANDA看護診断
,
事例分析
pp.14-26
発行日 2007年3月15日
Published Date 2007/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004100244
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本研究の目的は,NANDA看護診断“急性疼痛”を挙げた看護師の臨床判断の適切性を明らかにすることである.対象は2005年11月現在,NANDA看護診断を3年以上看護記録に使用している2施設の一般内科系と外科系病棟の“急性疼痛”を立案している事例の診断を特定するまでの看護記録,計18事例であり,多事例を使用した帰納的・質的分析を行った.結果は,適切な事例は8事例,適切とはいえない事例は10事例であった.適切だった理由は,①病態的にもしくは手術待機の状況下で,疼痛に対する早急な看護介入が必要である,②鎮痛剤を投与しても疼痛が持続し,除痛を目指した看護介入が早急に必要である,であった.適切とはいえなかった理由は,①患者状況が,“急性疼痛”の定義と一致する現象を呈していない,②“急性疼痛”の指標がわずかしか存在していない,③“急性疼痛”に対する看護成果や看護介入を最も優先して実施する必要な患者状況ではない,であった.
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