Japanese
English
【研究報告】
腹部膨満感という患者現象の明確化―消化器系疾患患者の体験に焦点を当てて
Identification of Patients' Phenomenon as their Subjective Abdominal Bloating: Focus on Experience of Patients Who Suffered from Digestive System Disease
中藤 三千代
1
,
下舞 紀美代
2
,
古川 秀敏
2
,
山田 紋子
3
,
林 みよ子
3
,
黒田 裕子
3
,
五藤 陽子
4
,
益田 亜佐子
5
,
石橋 ひろ子
6
Michiyo Nakafuji
1
,
Kimiyo Shimomai
2
,
Hidetoshi Furukawa
2
,
Ayako Yamada
3
,
Miyoko Hayashi
3
,
Yuko Kuroda
3
,
Yoko Goto
4
,
Asako Masuda
5
,
Hiroko Ishibashi
6
1東京臨海病院
2国際医療福祉大学福岡看護学部
3北里大学看護学部
4北里大学病院
5NTT東日本関東病院
6愛知医科大学病院
1Tokyo Rinkai Hospital
2International University of Health and Welfare
3Kitasato University School of Nursing
4Kitasato University Hospital
5NTT Medical Center Tokyo
6Aichi Medical University Hospital
キーワード:
腹部膨満感
,
看護診断
,
患者現象
Keyword:
腹部膨満感
,
看護診断
,
患者現象
pp.5-12
発行日 2011年3月15日
Published Date 2011/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004100330
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本研究は,NANDA-Iへの新しい看護診断名提案を目指し,消化器系疾患患者が体験する腹部膨満感という現象を明らかにすることを目的とした.研究参加者は,最近1か月に腹部膨満感を体験した消化器系疾患患者で,現在病態が安定している14名であった.半構造化面接法でデータ収集し,質的帰納的に分析した.結果,腹部膨満感そのものの身体的な反応11カテゴリーと腹部膨満感に関連する身体的な変化7カテゴリーが抽出された.これらを既存の看護診断のうち腹部膨満感と類似する“悪心”,“消化管運動機能障害”,“急性疼痛”,“慢性疼痛”,“安楽障害”の診断指標・関連因子と照合した.腹部膨満感は,既存の看護診断名とは異なる患者現象であり,本研究で抽出された7カテゴリーの身体的な変化を関連因子候補,11カテゴリーの身体的な反応を診断指標候補とする,特定の看護援助を必要とする患者現象であることが明らかとなった.
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