日本看護診断学会第11回学術大会報告 定着させようNANDA看護診断
【教育講演】
1.看護診断を理解するために―中範囲理論の位置づけと理解
中木 高夫
1
Takao Nakaki
1
1日本赤十字看護大学
1The Japanese Red Cross College of Nursing
pp.78-82
発行日 2006年3月15日
Published Date 2006/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004100213
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はじめに
NANDAの看護診断の診断ラベルの訳語は,日本看護診断学会看護診断用語検討委員会(以下,用語検討委員会)で原案が作成され,理事会で承認されてから公表されています.採択された訳語案は,本学会の機関誌である『看護診断』と『NANDA看護診断:定義と分類2005-2006』〔医学書院〕 によって,広く日本中で使用されています.
用語検討委員会は,NANDAの診断審査委員会(Diagnosis Review Committee)を意識して組織された委員会ですが,この委員会が訳語案を検討するに至った理由は,当時,米国の看護診断関連の図書が多数翻訳されるようになっていたのですが,診断ラベルが訳者によってさまざまな表現で訳され,看護界に混乱が生じていたからです.
そこで日本看護診断学会は,出版社などに働きかけて,日本看護診断学会の手になる訳語案をできればスタンダードとして取り扱ってほしいと要望しました.その結果,この訳語案は,現在,一定の役割を果たしてきていると考えられます.なお,「訳語案」としているのは,常に前進し続けるという意味合いが込められているからです.
さて,日本看護診断学会の訳語に対して,皆様はどんなイメージおもちでしょうか?これまでにさまざまな苦情が私の耳に届いています.
「難しい」,「わけがわからない」,「あんなの日本語じゃない」,「人工的な感じがする」.
いちいち反論することはできますが,なぜあのような訳語になっていったのかを知ってもらうことが,この問題を解決するいちばんの近道と考えます.
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