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日本看護診断学会第7回学術大会報告 21世紀―看護診断・介入・成果の実証
【会長講演】
成果の見える看護
Nursing Practice Leading to Desirable Outcomes Visible
江本 愛子
1
Aiko Emoto
1
1三育学院短期大学看護学科
1Saniku Gakuin College Department of Nursing
pp.6-11
発行日 2002年3月15日
Published Date 2002/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004100102
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はじめに
わが国の文献に初めて“看護診断”という言葉が紹介されてから,ほぼ四半世紀が経過した.日本看護診断研究会が設立されたのが,ちょうど10年前の1991年6月8日である.2000年までに4回の看護診断研究会と,6回の学術大会が開催され,本日,第7回日本看護診断学会学術大会を迎えることができた.研究会を含め,わが国の看護診断に関する学術的な活動は10年という節目を経過し,21世紀の新たな局面を迎えている.
この10年間に,看護診断はわが国の看護職者の間にある程度定着をみせている.先駆的な取り組みをしてきた施設では,看護実践を導くためのアセスメントガイドや新しい実践記録様式,あるいは記録監査様式などを独自に作成し,その結果を公表できる段階に入っている.わが国においては,臨床と比較すれば教育の場での活用が遅れているものの,看護診断は理念や導入の論議から一歩踏み込んで“実証”の時代に入ったといってよいであろう.そこで,この21世紀初の第7回日本看護診断学会学術大会のテーマを「看護診断・介入・成果の実証」とした.
「優れた看護診断は看護活動を成功に導く1つの鍵である」と言ったのはベルンツバイクである1).この言葉は,優れた看護診断と介入,成果のつながりと,その結果を強調している.それらが十分リンクした実践は,結果として見える成果をもたらす1つの鍵なのではないだろうか.大会長講演に際し,「成果の見える看護」と題して,成果が見えるようになるための看護診断の課題について考察したい.
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