日本看護診断学会第4回学術大会報告 看護診断の発展をめざして
【シンポジウム・2】
看護過程から看護量算定までのトータルシステムの構築とその利用
加藤 千津子
1
Chizuko Katou
1
1旭川医科大学
1Asahikawa Medical College
pp.49-50
発行日 1999年3月15日
Published Date 1999/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004100031
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はじめに
旭川医科大学附属病院は1976年の開院以来POS(problem oriented sysem)を導入してきたが,看護問題の特定およびその表現に苦慮してきた.患者の情報収集の枠組みを系統だったものにすることと,看護が取り扱う問題に対する共通用語の必要性を痛感していた.そこで1989年の病院情報システムの導入にあたり,看護システムの3本柱の1つに患者看護支援システムと称し「アセスメント・看護診断・計画立案・実施・評価の看護過程のさまざまな場面にコンピュータを活用し,患者サービスの向上を目指し,さらに看護量算定までのトータルなシステム」として位置づけた.そして1991年7月より委員会活動を中心に構築を開始し,1995年10月より段階的に稼動している.
一方,継続看護の必要性は多くの人が認め,特に昨今の高齢社会の進展はますます看護が1施設内では完結することが困難で,病院・施設・地域の連携の必要性を痛感する.しかし,はたして必要な看護が効果的に引き継がれているのだろうか?本院においても開院時より,転科・転棟や他院への転院などの場合は看護サマリを利用して看護の継続に努めてきたが,在宅などの地域への継続は不十分な状況であった.そこで1996年10月より「地域の保健・医療・福祉機関と連携をとることにより,入院および通院中の患者のケアが継続できるよう支援する」ことを目的とした継続ケア室が開設された.そして看護を継続するためのコミュニケーション手段の1つとして看護依頼書を利用している.
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