第18回日本腎不全看護学会・学術集会記録 【教育講演】
1.1995年阪神・淡路大震災〜2011年東日本大震災の経験を今後に活かすために
森上 辰哉
1
1五仁会元町HDクリニック臨床工学部
pp.17-25
発行日 2016年4月15日
Published Date 2016/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003200073
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Ⅰ.はじめに
1995年1月,今から20年前に発生したマグニチュード7.1,最大震度7の阪神・淡路大震災では,それまでわが国では経験したことのなかった都市型巨大地震災害として未曾有の大惨事となり,医療機関も多くが被災した1).
当施設も建物が半壊し,装置類も転倒したうえに停電と断水が長時間続き,完全復旧まで3か月を要した2).
そして2011年3月11日,マグニチュード9.0,最大震度7の想像を絶する巨大地震が東北地方を中心に襲いかかった.これまでの地震との違いは被災地域が広域であること,そしてわが国では過去数百年間経験したことのない巨大津波に襲われたこと,さらに原子力発電所の放射能漏れが被害をいっそう大きくした.
1995年の阪神・淡路大震災以来,2度の新潟県中越地震,福岡西方沖地震,そして能登半島地震などの被災経験を通じて多くの災害対策が講じられてきたが,今回の東日本大震災ではこれらの教訓が生かされていたのか…これまでの災害と何が違ったのか…
これらの経験から学んだ災害対策についてふれてみたい.
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