第17回日本腎不全看護学会・学術集会記録 【会長講演】
高齢社会における腎不全患者の療養支援—透析患者とともに歩んだ30余年
小手田 紀子
1
1緑栄会三愛記念病院
pp.4-9
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003200028
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はじめに
第17回日本腎不全看護学会学術集会・総会を千葉にて開催した.千葉での学会は10年ぶりで2回目である.今回のテーマは『高齢化社会における腎不全患者の療養支援』とした.超高齢社会を迎える現状で,特に千葉,埼玉,神奈川県は全国的にもさらに高齢社会になるといわれている.高齢透析患者へのケアのあり方,安全な透析治療を受け,最後に安らかな死を迎えるためにわれわれ看護師はどのようにして患者と接し,信頼感を得たらいいのかを改めて考え直したいと思う.
2013年12月末現在,図説わが国の慢性透析療法の現況(日本透析医学会)によると,慢性透析患者数は31万人を超え,透析導入患者の平均年齢は68.68歳になった.またCKD患者は1,330万人に達している.この高齢社会で,腎不全看護も患者を取り巻く環境とともに変化してきた.認知症の患者や独居老人,老老介護の増加,介護保険を利用した通院などがあり,それぞれに対応してきた.
私は腎不全看護と出会って30余年になる.今まで培った経験をもとに報告したいと思う.
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