第11回日本腎不全看護学会・学術集会記録 【ランチョンセミナー】
2.C型慢性肝炎
泉 並木
1
1武蔵野赤十字病院
pp.18-20
発行日 2009年4月15日
Published Date 2009/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100367
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Ⅰ.C型慢性肝炎の治療目標
C型慢性肝炎はC型肝炎ウイルスの持続感染によって引き起こされ,長い年月の感染の結果,肝硬変や肝癌を発病する(図1).そこで,肝硬変や肝癌に進行しないように治療することが必要となる.最も基本的な治療はウイルスを肝臓から排除してしまうことで,ウイルスを消滅させることができたら,肝臓の炎症がなくなり,肝機能は正常化する.慢性肝炎によって肝臓にできた線維が溶けて,肝臓が柔らかくなっていくことにより,肝硬変への進行や肝癌の発病を抑えることができる.
しかし,すべての人でウイルスを消滅させることができるわけではない.治療によってウイルスが排除できない人は,肝臓の炎症を抑え,線維が増えていくのを食い止める治療が必要になる.したがって,ウイルスを消滅させることが第一の基本となるが,これができなかったときは,肝炎を抑え込む治療を行うことになる.
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