疾患と検査値の推移
C型慢性肝炎
伊藤 敬義
1
,
打越 学
1
,
井廻 道夫
1
1昭和大学医学部第二内科
pp.1373-1378
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100162
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C型慢性肝炎とは
1 . 疾患概念
慢性肝炎は6か月以上持続する肝臓の炎症と定義される.多くは肝炎ウイルスの持続感染による.急性肝炎から移行した慢性肝炎は最終的には肝硬変に進展し,肝癌を発症する例も存在する.現在,慢性肝炎の70%がC型肝炎ウイルス(hepatitis C virus,HCV),20%がB型肝炎ウイルス(hepatitis B virus,HBV)による.A型,E型肝炎は慢性化しない.C型慢性肝炎を引き起こすHCVの感染経路は輸血(非加熱血液製剤含む),刺青,覚醒剤の注射などによる感染のほか,感染ルート不明のものも約50%と多い.わが国の肝癌の原因の70~80%はHCV感染であることが判明している.
2 . 症 状
C型慢性肝炎患者にはほとんど症状がなく,健康診断や医療機関を受診した際に肝障害を指摘されたり,抗体検査で陽性を指摘されて判明することが多い.慢性肝炎から肝硬変に進行するとクモ状血管腫や手掌紅斑が認められたり,非代償期になると黄疸や下肢の浮腫,腹水などが出現する.
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