増刊号 Common Disease 200の治療戦略
消化器疾患
C型慢性肝炎
岩渕 省吾
1
1聖マリアンナ医科大学第2内科
pp.182-184
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904036
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疾患概念と病態
今から遡ること約6年,それまで非A非B型肝炎と称されていたものの起因ウイルス(C型肝炎ウイルス:HCV)が発見され,わが国の肝臓病の研究ないし治療局面は大きく展開した.すなわち,アルコールないし自己免疫に起因すると考えられていた肝臓病のなかにも,HCV感染を伴う例が多く含まれ,わが国の肝細胞癌の90%以上がHCVないしHBV感染に起因することが明らかとなった.
さらに,自然治癒の可能性の極めて低いC型慢性肝炎のなかで,インターフェロン(IFN)治療により根治する例もみられることがわかり,この数年に150万人以上の多数にIFN投与が行われている.その結果,30〜40%の症例に著効が得られる反面,IFN難治例の実態も明らかとなり,IFN治療の適応,投与法などに関しては第二段階に入りつつある.また難治例に対しては強力ネオミノファーゲンC®(SNMC)静注,経口剤としてウルソデオキシコール酸(UDCA)投与も見直されている.
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